2008年6月アーカイブ

ベーゴマ その3

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ツンドコ?いいねえ・・・」と、よっちゃんは早速ベーゴマを「種蒔いた!」と、言いながら、得意のオトコ左巻きでサッとベーゴマをトコの端っこに放り込みました。

すると、よっちゃんのベーゴマは、トコの真ん中の一番低いところに刃を傾けながら、左周りにゆっくりと走りだしたのでした。 それはもう・・・おそらくトコの真ん中に入ってくるであろう次のベーゴマを狙って、獲物を待ち構えて爪を光らした虎のようです。

ボクが、その芸術的とも云える美しいベーゴマの動きに一瞬見とれていると、そのすきにのりちゃんは、よっちゃんのベーゴマを睨みつけて大きな声で「買った~!」と宣言したのでした。怖いもの知らずとはこのことです。

でも、次の勝負の権利を得たのりちゃんは、よっちゃんのベーゴマがのりちゃんの立ち位置の一番遠くに廻り込んで行くのを少しだけ待つと、身体を低くして、まるで1本槍を鋭く突き刺すようにベーゴマを放り込みました。

「でっ、でたあ~!!」のりちゃんの必殺兵器ツッケンだ~! のりちゃんのツッケンは外れることも多く、自分からトコを通り越して飛び出してしまう事もあるが、今日のツッケンの切れ味は見事でした。

トコの端っこに廻り込んでいたよっちゃんのベーゴマは、強烈なツッケンを食らうと、ビリヤードの玉突きのように、今居た場所をのりちゃんのベーゴマに取って変わられ、遠くへ弾き飛ばされたのでした。

「ムムム・・・」とよっちゃんがうめいたその瞬間、今度はカズちゃんが「買った!」と、早くも次の勝負を買って出ました。

【かずちゃんも、のりちゃんもヒモの巻き方は女巻きで、ヒモを巻き付けるのは早い。女巻きは、簡単に素早く巻けるが、ベーゴマのケツに楕円形にヒモが巻かれていくので、男巻きに比べ若干巻きが短くてゆるい。よって、最後まで回り続ける耐久力には劣るが、ヒモ離れが良いので、飛び道具系の技を使いやすいメリットもある。】

のりちゃんのベーゴマが、端っこからトコのど真ん中に滑るように降りてきたその時です。かずちゃんがちょっと背伸びをしたように構えると、高い位置から放たれたかずちゃんのベーゴマは、のりちゃんのベーゴマに向かってゼロ戦のように急降下しました。

ガッチ~ン★★★!火花が出たかと思うほどの激しい衝突が・・・

この続きは、また来週をお楽しみに!

 

ベーゴマ その2

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作業服を着たオジサンは、ボクのCDプロモーションの話を聞き終わると、「今、社長は出掛けておりまして・・・」と申し訳なさそうにしていました。「これを社長さんにお渡し下さい」とCDをオジサンに手渡ししたボクは、ベーゴマをリュックに押し込み、日三鋳造所を後にしました。

しばらく歩いたところにあった公園のベンチに座って空を見上げると、抜けるような青空とふんわり浮かぶ白い雲。それから、鋭い日差しに目が眩んだかと思うと・・・ボクは気がつくと9才の頃に戻っていました。

そこは都営アパートの階段の狭い踊り場、(左利きの)よっちゃん、(ハナタレの)かずちゃん、(チビの)のりちゃんと一緒にトコを囲んで、ボクたちはベーゴマをやっています。

イッションベ!」と声を合わせて、4人はベーゴマを一斉にトコへ放り込むように回します。ガチャガチャとベーゴマが音を立てると、あっという間に、のりちゃんのベーゴマは弾き出され、次に、うなりを上げたよっちゃんのベーゴマに、かずちゃんのベーゴマも遠くへすっ飛ばされてしまいました。

「くそっ!」と一言かずちゃんがうめくと、残るはボクとよっちゃんのベーゴマの一騎打ち。 ガチッ、ガチッとベーゴマの刃が音を立てて闘います。刃を傾けながらよっちゃんのベーゴマは、ボクのベーゴマの後ろ側にゆっくり回り込むと、最後の一撃を食らわしました。「あっ、まずい!」と思う間に、土俵を割るようにボクのベーゴマはトコから外れ、奈落の底に落ちていきました。「ううっ・・・」

よっちゃんはニヤリとすると「イッコーチ!」と高らかに勝ち名乗りを上げて、左手の甲でトコのシートを軽くポンと叩くと、自分のベーゴマをいとおしそうにトコから拾い上げました。

負けたボクたちは、弾き出された自分のベーゴマをよっちゃんにそっと差し出します。「悪いなっ!」と遠慮なく三個のベーゴマを受け取ると、よっちゃんは次の勝負に、もう別のベーゴマを取り出し、得意のオトコ巻きで、ヒモをベーゴマに巻き始めました。

クチビルを噛み締めたボクは思わず、「ちょっと待って・・・、今度はゼンガじゃなくてツンドコで勝負しよう!」

来週につづく

ベーゴマ その1

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埼玉県川口市弥平にある(株)日三鋳造所に行ってきました。

ここは、今では日本で唯一となってしまったベーゴマを造っている鋳造所です。 池袋のナンジャタウンなどに行けば、今でもベーゴマを売っているそうです。でもボクは、古すぎて知らない人が多いと思いますが、吉永小百合主演「キューポラのある街」川口の鋳物工場直売のベーゴマが欲しくなり、JR川口駅から徒歩で、あたりの町並みを散策しながら、あのキューポラと、まぼろしのベーゴマを探しに出掛けたのでした。

ホームページで調べた所在地のその近くに行くと、何本もの赤いのぼりにベーゴマの文字が・・・ボクは「幸せの黄色いリボン」を見つけた高倉健のようにジワジワ嬉しくなりました。(また古い映画でスミマセン)

期待に胸を躍らせて敷地内に入ると、汚い工場かと思いきや、とってもシャレたログハウス風のオフィスがそこに建っていました。ボクは元気よく「こんにちは!」とオフィスに入ると、室内の一角のテーブルにひっそりと八種類ほどのベーゴマがボール紙の箱に入って並んでいました。

ボクは手を真っ黒にしながら、その箱の中から、子供の頃の懐かしい想い出いっぱいの十個のベーゴマを選び出し、「このベーゴマとヒモを2本下さい」と言うと、作業服を着たオジサンが、電卓を取り出して計算し1500円です、ヒモを一本サービスしますよ」と嬉しい事を言ってくれた。(でかいソロバンを弾いて欲しかったが・・・)

ここぞとばかりに、「ボクはシンガーソングライターで、ベーゴマという曲を作り、CDにしたので聴いてください!各地のベーゴマクラブの人たちにも是非紹介して下さい!」などとCDを見せながらプロモーションしてしまいました・・・(本当はこれが第1の目的だったりして?!)

ベーゴマの話は、まだ長くなりそうなので、この続きは来週の第2話へ・・・

では、また!

都電

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「2008路面電車の日」記念イベントに行ってきました!

 

東京の路面電車は、現在荒川線が残っているだけですが、ボクが子供の頃は本当に沢山の都電があちこちに走り回っていました。

小学校へも毎日23番の都電に乗って通学していましたので、ボクはかっこいい都電の運転手に魅せられて、子供心に本当にあこがれていました。

当時の車掌さんの中には、次の停車駅の駅名の由来や駅周辺の案内、本日の天気予報、等々を歌うように紹介しながら、踊るようなパフォーマンスで乗客を楽しませてくれる名物車掌さんもいました。残念ながら今は多分いないと思います。

さて、イベントの様子ですが、都電荒川線の「荒川車庫駅」の会場で、車庫内を見学して、久々にいろんな型式の路面電車に実際に乗って写真を撮ったりしてきました。

会場には、ジオラマや切り絵の展示、HOゲージを走らせたりしていましたが、電車オタク・路面電車オタク・カメラおやじやカメラ小僧たちでいっぱでした。みんなとっても楽しそうでしたよ。

それから、イベントらしく「ゲゲゲの鬼太郎」のいろんなキャラクターたちが登場してきましたが、鬼太郎の髪型のカツラをかぶって、ちゃんちゃんこを着て、すっかり鬼太郎になりきった運転手さんが、実際の都電荒川線を乗客を乗せて営業を始めたのにはビックリしました。山手線や新幹線では絶対あり得ないよなあ・・・と、変な感心をしてしまいました。

「喜世志」のオリジナル作品には、下町の情緒を唄った曲が多いですが、路面電車や都電が出てきます。都電のことを子供の頃は「チンチン電車」と言っていましたが、これは、車掌さんがチンチンと鐘を鳴らして、出発や停車の合図を運転手や乗客に知らせていた音ですよね。次のアルバムの効果音には「チンチン電車」の鐘の音を是非入れたいなあと思っています。

では、また来週!

 

Ⅰ.綱川泰典バースデイライブ

喜世志のミュージックシーンでは、いつもこの人は欠かせません。
世界のフルーティスト綱ちゃんのライブが近づいてきました。 タイトルはちょっと長いですよ・・・
 
☆綱川泰典バースデイ☆~ピアノが奏でるウィーンの音楽とフルートが歌うオペラファンタジー~
Webサイト: http://www.shinsei78.com/concerts/teiki/20080619.html

日時:6月19日(木) 19時開演
場所:練馬公民館ホール
料金:500円

皆さん、是非綱ちゃんの生フルートに酔いしれてください。もちろん喜世志も応援に駆けつけます!

Ⅱ.喜世志 CROCODILE LIVE

5/5こどもの日「秋田犬ライブ」をキャンセルして、皆さんにご迷惑をかけた喜世志は、このライブにいろんな想いを懸けています!心を込めて唄いますので、是非喜世志に会いに来て下さい!
メンバーはいつもの最強ミュージシャン!マルちゃん、綱ちゃん、学さんが登場です。

日時:7月13日(日) 19時開演
場所:原宿クロコダイル
料金:2,000円

当日は3バンドが出演しますが、ライブ全体のコンセプトやテーマなど詳細が決まりましたら、またお知らせしますので、スケジュールだけは今から押さえといてくださいね!
喜世志の出番は、20:15~21:15と、タップリ1時間あります。
Webサイト: http://www.music.co.jp/~croco/index2.html

Ⅲ.おまけ

先日5月23日に、熱狂的ファンであります "西岡たかし" 率いる「五つの赤い風船」のコンサートに行ってきました。
実は、喜世志ミュージックのルーツとも言える「五つの赤い風船」は、高校生の頃からメッチャ大好きで、友人とバンドを組んで、「風船」のコピーを毎日のように歌っていました。今も時々自宅で歌っていますが・・・
コンサートはもちろん大感動で涙を流しながら聴きましたが、当日九段会館で買った「五つの赤い風船~結成40周年ライブDVD」(昨年九段会館で収録)を自宅で見ていたら、アンコール曲の「これが僕らの道なのか」と「遠い世界に」を、客席で自分が歌っているところがバッチリ映っていたのでビックリしました。
そんな暇な人はいないとは思いますが、このDVDを持っている人は「喜世志」を是非探してみてください。見つけた人は教えてください。「風船」ファン同士でハグハグしましょう!

また、来週!



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